ホーム > 専門医に聞く 乾癬治療のフロントライン > 名古屋市立大学大学院 森田先生-1
| 1989年 | 名古屋市立大学医学部医学科卒業 |
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| 1990年 | 名古屋市立大学大学院医学研究科(博士課程)入学 愛知県がんセンター研究所免疫部研修生 |
| 1994年 | 名古屋市立大学医学部助手 |
| 1995-1997年 | 独デュッセルドルフ大学皮膚科(独フンボルト財団奨学研究員) |
| 1997-1998年 | 米テキサス大学サウスウエスターンメディカルセンター皮膚科 |
| 1998年 | 名古屋市立大学医学部 講師 名古屋市立大学医学部 助教授 |
| 2003年 | 名古屋市立大学大学院医学研究科 教授 |
| 2006年 | 名古屋市立大学蝶が岳ボランティア診療所長兼務 |
| 2010年 | 名古屋市立大学病院総合研修センター長(名古屋市立大学病院長補佐)兼務 |
名古屋市立大学病院の森田明理先生は、乾癬治療にTNFα阻害薬を積極的に取り入れている医師のお一人です。
今回は、森田先生が乾癬治療で大切にしていることを伺いました。
-森田先生が乾癬治療で大切になさっていることは?
乾癬の治療は、問診から始まります。いつから症状が出始めたのか、どのような症状があるのか、どのような生活をされているのか、どのような治療をされてきたのか、どのような治療を希望されているのか、などを伺います。これらは、患者さん一人ひとりに適した治療を選ぶ上で、大切な情報です。
乾癬には大きく分けて4つの治療法があります。1つめはステロイドやビタミンD3などの外用薬を塗布する外用療法、2つめは紫外線を照射する光線療法、3つめは免疫の異常に働きかける薬を服用する内服療法、そして4つめはTNFα阻害薬などの生物学的製剤による治療です。
患者さんにはこのような4つの治療法があることをきちんと知っていただきたいので、治療を始めるときにはまず、すべての治療法について説明しています。
こうして私たちが患者さんのことを知り、患者さんにも4つの治療法を理解していただいた上で、最適と思う治療法を提案します。患者さんに治療法を選んでもらうという方法もありますが、私たちはまず医師から最適な治療を提案することが大切だと考えています。患者さんに迷いがあるときは、その治療法を一度、体験していただくこともあります。
納得した上で治療をスタートできると、患者さんは治療に積極的になってくださり、取り組み方が変わってきます。その結果、同じ治療をしても、納得のないままに治療を始めたときより治療効果が高まります。
-4つの治療法にはそれぞれ、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

外用療法は手軽で、大きな副作用が少ないことがメリットです。また、長年行われてきた治療法なので、医師の経験も豊富です。しかし、皮疹の範囲が広いと薬を塗るのが大変になり、患者さんに負担を強いることになります。実際、薬を塗るのに毎日30分~1時間もの時間を費やしている患者さんがたくさんおられます。この冬は寒さが厳しいですが、寒い脱衣所で裸に近い格好をして30分以上も薬を塗っている患者さんの姿を想像すると、涙が出る思いです。
光線療法は多くの患者さんに効果があり、副作用も少なく、経済的な負担も少ないのですが、週に1~2回の頻度で通院しなければならないのが難点です。皮膚がんを心配なさる方もおられますが、最近は安全性の高い波長の光線を照射するナローバンドUVB療法が主流になっています。
内服療法は、非常によく効く患者さんがおられる一方、期待した効果が得られないこともあります。とくに頭皮や顔、爪、おしりなどは効果が出にくく、治療に苦労することもあります。なお、腎臓や肝臓の機能が低下している方や、妊娠している、あるいは妊娠を希望している方では内服療法は難しく、また、薬によっては口の中が乾く、唇が荒れる、脱毛などの副作用が現れることがあります。
TNFα阻害薬は、日本では2010年から乾癬の治療に使われるようになった新しい薬剤で、国内外の多くの研究で高い治療効果が報告されています。現在、名古屋市立大学病院の皮膚科では500~600人の乾癬患者さんを診療していますが、そのうち約1割の患者さんがTNFα阻害薬による治療を受けています。研究報告と同様、実際の外来治療でも高い効果が得られていて、7~8割の患者さんは皮疹が気にならないレベルにまで改善しています。また、TNFα阻害薬には点滴で投与するタイプと注射で投与するタイプの2つがありますが、点滴の薬剤は効果が現れるのが早いという印象をもっています。このように効果がすぐれる反面、感染症などの副作用が報告されており、頻度は低いけれども、症状が重くなる可能性があるとされています。そのため、副作用を未然に防ぐための定期的な受診と適切な予防策は欠かせませんが、TNFα阻害薬は乾癬の治療に使われる以前から、関節リウマチなどの治療に使われており、これらの経験を通じて副作用を防ぐためにはどうしたらよいのかが明らかにされています。

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